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「マグロ」は犬が食べてもOK!低カロリーで栄養豊富な優秀食材

多くの魚の中でも人気の高い「マグロ」は、日本人に馴染みの深い食材として親しまれています。刺身やツナ缶など、家庭の食卓に並ぶ機会も多いマグロを愛犬に食べさせたいと考えている方も多いでしょう。 
 
マグロは犬が食べても大丈夫です。ドッグフードにもよく使用されている通り、マグロ自体は犬にとって害はありません。高タンパク低カロリーで栄養も豊富な食材です。 
 
しかし、人間の食用として販売されているマグロを与える際には、部位や分量に注意が必要です。また、缶詰も商品によって内容成分が異なりますので、きちんと確認せずに安易に与えることは避けなければいけません。 
 
本日は、クレディセゾンのペット事業編集部の筆者の愛犬に、実際にマグロを食べてもらいました。その様子を詳しくお伝えしますので、初めて愛犬にマグロを与える飼い主の方は、ぜひ参考にしてみてください。 

目次[非表示]

  1. 1.小型犬にマグロを与える際の注意点
    1. 1.1.◆小型犬にマグロを与える際の注意点
  2. 2.マグロの与え方
    1. 2.1.刺身はそのまま与えても良いが、できれば火を通すべき
    2. 2.2.マグロの缶詰を与える際は無添加のものを選ぶ
    3. 2.3.小型犬に与える分量は?
  3. 3.実食のようす
    1. 3.1.赤身の刺身
    2. 3.2.ツナ缶(シーチキン®️)
  4. 4.初めてのマグロは食後も異常はなし
  5. 5.犬にマグロを与えるメリットは十分なタンパク質が摂れること
  6. 6.トロは高カロリー!犬に与えるなら赤身が良い
    1. 6.1.生のマグロは鮮度にも注意
  7. 7.犬にマグロを与えてもOK!しかし日常的に与えるなら細心の注意が必要


小型犬にマグロを与える際の注意点


今回、初めてのマグロに挑戦してもらう我が家の愛犬は、今年10歳のミニチュアダックスフントのナナです。 


犬にマグロを与えても問題ありませんが、与え方に注意すべき点が多い食材でもあるので、下記に、ミニチュアダックスフントのような小型犬にマグロを与える際の注意点についてまとめました。 


◆小型犬にマグロを与える際の注意点


・生で与えても良いが、基本的には加熱するべき 
・消化しやすいよう細かくカットする 
・刺身は鮮度と骨の有無に注意 
・ある程度の大きさがある場合は、手持ちで噛みちぎらせる 
・与える部位は赤身か血合が良い 
・ツナ缶(シーチキン®︎)はノンオイル、食塩無添加を選ぶ 
・過剰に与えないよう、少量から様子を見る 
・初めて与える場合は、食後もしばらく様子を見る 



マグロを与える際は基本的に生でも大丈夫ですが、生の場合ビタミンを分解する酵素も入っているため、少量にとどめておくことが重要です。酵素は加熱することで非活性化するので、加熱してから与えたほうが安心です。 
 
そして、シーチキン®︎などのツナ缶は、一般的に脂分や食塩が多く使われているため、安易に愛犬に与えてしまうのはやめましょう。与える際はノンオイル・食塩無添加のツナ缶を選び、成分をしっかり確認してから与えるべきです。 



マグロの与え方


それでは、実際に愛犬のナナに与えたマグロについて、詳しく説明してまいります。 



刺身はそのまま与えても良いが、できれば火を通すべき


今回ナナに食べてもらったマグロは、11月〜12月頃が旬とされる「メバチマグロ」です。近所のスーパーで購入した赤身のマグロですが、鮮度が少しでも良いものをと思い、午前中に購入したものを、時間を置かずに食べてもらいました。 
 
◆購入したメバチマグロの刺身 

購入したメバチマグロの赤身は、1切れをそのまま生で、2切れを加熱してナナに与えました。ちなみに1切れ10〜15g程度の一般的なサイズの刺身です。 
 
マグロを生で与えても問題はありませんが、生のマグロにはビタミンB1を分解する酵素が含まれるため、過剰に摂取することでビタミンB1欠乏症になってしまう恐れがあります。この酵素は加熱することで非活性化するため、基本的にはマグロは加熱して与えることが好ましいです。

今回は沸騰したお湯で5分ほど茹でて火を通しました。 
 

◆熱湯で茹でてしっかり加熱する 


 
生のマグロは手で持って直接与え、加熱したマグロは下記のように食べやすいサイズにカットして与えました。加熱後はしっかり冷ましてあげることを忘れないようにしましょう。 


◆加熱したマグロは食べやすいサイズにカット 

マグロの刺身は、まれに骨が残っていることがありますので、与える前によく観察することが大事です。また、スジは加熱しても硬いため、スジがないものを選んだほうが良いでしょう。 



マグロの缶詰を与える際は無添加のものを選ぶ


また、今回は同じマグロということで、ツナ缶も購入しました。ツナ缶に使用されるマグロは「キハダマグロ」です。

スーパー等でも見かけることの多い、「はごろもフーズ」のシーチキン®で、 こちらはノンオイルで食塩無添加の製品です。下記写真の通り、原材料は「キハダマグロ」のみです。


◆購入したツナ缶 

ツナ缶にもいくつか種類があり、水煮や油漬けといったものがあります。一般的なツナ缶は、下記のように油や食塩が使用されているものが多く、また、調味料として「玉ねぎ」が使用されている製品もあります。玉ねぎは犬にとって非常に有毒なので、与える際には必ず原材料表示をチェックしてください。 


◆油漬けのツナ缶の原材料 

ツナ缶は、30gほどをそのままフードボールに入れて与えました。形状はフレークなので元々細かくなっていますが、軽くほぐしてより食べやすくしました。 
 
◆ツナ缶も軽くほぐして食べやすくする 

小型犬に与える分量は?


ペットフード公正取引協議会によると、間食などおやつを与える際は、1日のカロリー要求量(RER)の20%以内におさえるのが好ましいとされています。 
 
愛犬の1日のカロリー要求量を知りたい場合、インターネットで検索すれば多くのサイトで計算式が公開されているので、簡単に数値を求めることが可能です。 
 
ナナは体重が約4.5kg、10歳のシニア犬なので、1日のカロリー要求量はおおよそ340〜350kcal程度です。筆者が調べたところ、メバチマグロのカロリーは100g あたり108kcalで、今回購入した刺身1切れが10〜15gなので、2〜3切れでちょうど良い量です。 
 
ただし、あくまで目安となる数値で、食材によって栄養価も異なります。特にマグロは高タンパクなので、小型犬であれば1切れ程度でも十分でしょう。 
 
もし与え過ぎたと感じたら、主食のドッグフードの分量を調節するなどしてバランスを取るようにしましょう。 
 
参考:ペットフード公正取引協議会 



実食のようす


今回、ナナにとって初めてのマグロということもあり、様子を見るため刺身と缶詰はそれぞれ別日に与えました。 



赤身の刺身


まず刺身のほうですが、1切れは生のマグロを筆者の手から直接与えました。スジのないものを与えましたが、やや咀嚼に時間がかかった印象です。 
 
私たちの食事の最中に愛犬に刺身を与える場合、その場で手で直接与える場面が多いと思いますが、そういった際は、しっかり噛みちぎらせながら少しずつ食べさせるようにしましょう。 
 
しかし、できれば生の刺身を小型犬に与える際は、面倒でも食べやすいサイズにカットしたほうが良いでしょう。 
 
◆手持ちで直接与えている様子 

次に、2切れを加熱後に十分に冷ましたあとにフードボールで差し出したところ、少し匂いを嗅いだあとに食べ始め、十数秒ほどで完食しました。 
 
茹でたマグロの赤身は、ほろほろと柔らかくなりますので、ナナにとってもだいぶ食べやすかったようです。 
 
◆茹でたマグロを食べるナナ 

ツナ缶(シーチキン®️)


別の日に、今度はツナ缶を与えました。30gほどの量を軽くほぐしてフードボールに入れました。 
 
こちらも刺身同様にペロリと平らげてくれましたが、印象としては、ツナ缶の方がガツガツと食いつきが良いように感じました。 
 
◆ツナ缶もペロリと完食 

初めてのマグロは食後も異常はなし


マグロの赤身(生・加熱)とツナ缶を初めてナナに与えて、それぞれ食後の様子を見守りましたが、いずれもアレルギーなど体調の変化は認められませんでした。また、翌日の便についても、下痢や軟便をすることもなく通常通りでした。 
 
しかし、どんな食材でも反応には個体差がありますし、アレルギーの可能性もありますので、初めて食べる食材を与える際は、まずは少量を与え、食後の様子を見守ることが必要です。 
 
また、食後の様子に変化がなくても、消化後の便の状態までしっかりチェックするようにしましょう。 



犬にマグロを与えるメリットは十分なタンパク質が摂れること


マグロの赤身はタンパク質が豊富で、含有量は魚の中でもトップクラスです。それでいて低カロリーなため、非常に優秀な食材と言えます。実際にマグロをベースにしたドッグフードもよく見かけます。 
 
タンパク質は筋肉や血液を作るのに必要不可欠な栄養素なので、健康な身体づくりに役立ちます。 
 
また、マグロに含まれるDHAにより、善玉コレステロールと悪玉コレステロールのバランスが改善され、腸内環境の正常化につながったり、脳の働きを良くするなどのメリットもあります。 
 
適量を摂取することで、マグロは愛犬の健康な身体の維持や老化の防止に役立ちます。マグロに含まれる主な栄養成分は下記の通りです



◆マグロに含まれる主な栄養成分 
・動物性タンパク質 
・DHA 
・EPA 
・タウリン など 


トロは高カロリー!犬に与えるなら赤身が良い


先に述べた通り、マグロの赤身は高タンパクで脂質が少なく低カロリーな食材ですが、与え過ぎてしまうと水銀などの過剰摂取による健康トラブルを引き起こすことになりかねないので、もし日常的に与えるのであれば分量には注意が必要です。 
 
また、人間にとっても美味しい部分であるトロを愛犬にも食べさせたいと思うのですが、トロは脂肪分が非常に多く含まれているため、カロリーオーバーになりやすい部位です。

特に小型犬に与えるのであれば、赤身か血合の部分が良いでしょう。 



生のマグロは鮮度にも注意


そして、生のマグロを与える際には、鮮度にも気をつけなければいけません。生のマグロは時間が経てばヒスタミンという菌が発生し増殖していきます。 
 
鮮度の落ちたマグロを与えると、下痢や嘔吐といったヒスタミン中毒の症状を引き起こすことになるので、鮮度の落ちたマグロは、生はもちろん加熱したとしても与えることは避けるべきです。特にマグロは足が早いので、鮮度には十分注意が必要です。 
 
また、下記は今回購入した刺身の原材料ですが、pH調整剤や酸化防止剤が使用されていることがわかります。このように、スーパーで売っている刺身には日持ちさせるための添加物が使用されていることが多いです。 
 
◆購入した刺身の原材料成分 

添加物が直ちに害を及ぼすことはありませんが、日常的にマグロを与えたいと考えている方は、無添加のものを選んだほうが良いでしょう。 



犬にマグロを与えてもOK!しかし日常的に与えるなら細心の注意が必要


今回は、筆者の愛犬のミニチュアダックスフントに初めてマグロを与えてみました。刺身とツナ缶を与えましたが、特にツナ缶がお気に入りになったようで、缶詰を見るだけで、はしゃぐようになりました。 
 
マグロは栄養豊富でカロリーが少ないため、メリットの多い食材ですが、日常的に与えることには様々なリスクがあることを知っておくべきです。 
 
生のマグロは、スーパーで購入する以上は鮮度の見極めが必要ですし、ツナ缶も基本的には塩分や油、添加物が使用されている製品が大半です。頻繁に与える際は、そのような点を念頭に置きつつ、分量もしっかり管理する必要があります。 
 
もし「普段からマグロの栄養価を取り入れたい」というのであれば、マグロをベースにしたドッグフードもたくさん市販されていますので、そちらを検討することをお勧めします。 
 
そして、初めて愛犬にマグロを与えるのであれば、事前にかかりつけの動物病院へ相談しておけばより安心です。その際、オンライン診療を利用すれば自宅から気軽に相談することができます。 
 
もし、かかりつけの病院がオンライン診療を実施していない場合は、クレディセゾンが運営するオンラインサービス「セゾンのペットオンライン診療」で、オンライン診療を実施している病院を検索することが可能ですので、ぜひ活用してみてはいかかでしょうか。 
 

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