
これで安心!動物病院でノミ・ダニ薬をもらう場合の5つのポイント
春になるとペットのノミ・ダニを予防薬することが必要になります。
動物病院でもらうことができる予防薬はノミ・ダニだけを予防する薬もあれば、ノミ・ダニに加えて蚊から感染をするフィラリア症も予防することができるオールインワンタイプがあります。
ちなみに市販をされているものはノミ・ダニだけを予防することができる薬で、オールインワンタイプは購入することはできません。
なぜならば、オールインワンタイプは獣医さんの指導のもと、処方をすることができる要指示薬であるためです。
筆者は生後11か月の犬を飼っておりますが、蚊から感染をするフィラリア症が怖いため動物病院でオールインワンタイプを処方してもらっております。
今回はクレディセゾンでペット事業を担当し、生後11か月のミニチュアシュナウザーを飼っている筆者が動物病院で予防薬をもらう場合の種類や値段、そしてノミ・ダニの怖さなどを5つのポイントを詳しく解説いたします。
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ポイント① 動物病院で処方をされるノミ・ダニの薬は大きく4つのタイプに分けられる
犬や猫に使うノミ・ダニの薬は大きく4つに分けられます。
筆者は生後11か月のミニチュアシュナウザーを飼っておりますが、この4つの中でもフィラリア症も予防することができるオールインワンタイプの錠剤を処方しております。
なぜならば、実際に散歩をしていると自分の目線より犬の目線にはたくさんの蚊がおり、ノミ・ダニよりもペットを守ることが難しいことに気が付きました。
また、筆者のミニチュアシュナウザーは皮膚が多少弱いこともあり、錠剤タイプの予防薬を処方しております。
但し、犬種によっては予防薬を使うことができないので、まずは獣医さんに相談をし、処方をしてもらうことをおススメいたします。
◆ ノミ・ダニ薬の4つのタイプ
ノミ・ダニの予防のみに効果がある薬は「市販薬」です。
このタイプはペットショップやインターネットで購入することが可能です。ノミ・ダニに加えフィラリアの予防にも効果がある薬は獣医師の診察後に処方をすることができる「要指示薬」です。
「要指示薬」はペットショップやインターネットでは購入することはできません。
なぜならば、今回のフィラリア予防の場合、すでにフィラリアが寄生していた場合、薬を処方することでショック反応を起こし命にかかわる危険があるからです。よって、処方にあたり獣医師によって事前に検査を行い、感染していないことを確認する必要となります。
多くの人は暖かくなると動物病院で行うワクチン接種と合わせて予防薬をもらいます。筆者もワクチン接種に合わせて感染症の予防についても相談をしております。
皆様も春のワクチン接種と合わせてかかりつけの獣医師に相談をすることをおススメいたします。
※フィラリアとは
蚊を介して犬の心臓や肺動脈に寄生する寄生虫が起こす病気
Meiji Seika ファルマ「犬フィラリア症のお話」
https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/animalhealth/ca/owner/filariastory/
※要指示薬とは
獣医師法で定められる要診察医薬品で、投与・処方に当たっては獣医師自らが診察することが義務づけられているもの
ポイント② 動物病院で処方されるノミ・ダニ、フィラリアの予防薬の値段は1か月分で約2,000円~3000円
動物病院で処方される代表的な予防薬は日本全薬工業株式会社のネクスガードスペクトラです。
ネクスガードスペクトラはノミ・ダニ、フィラリア、お腹の虫を予防してくれるオールインワンの寄生虫対策ができる薬です。
今回、インターネットで動物病院が公表しているネクスガードスペクトラの値段を調べてみました。
ネクスガード スペクトラ(1錠)値段表
ペットの体重によって処方される量が違います。
また、ネクスガードスペクトラは基本的に毎月飲む予防薬であるため、季節のはじまりに数か月分を処方してもらうことができる動物病院が多いです。
少し値段は高いですが、バラバラの薬で予防をすることは大変です。1錠でまとめて対策をすることができる薬をおススメいたします。
そして、上記はあくまでも予防薬の値段です。フィラリアの処方可否を判断する検査代などは含まれておりませんので、ご注意ください。
ポイント③ 市販をされているノミ・ダニの予防薬の値段は約3か月分で約3,000円~4000円
インターネットやペットショップで購入することができる予防薬はノミ・ダニだけを予防するタイプですが、状況に応じて使用することもあります。
代表的な予防薬は日本全薬工業株式会社のフロントラインです。
簡単投与で効果が長持ちの定番アイテムで、犬猫の首筋に垂らすだけでノミ・ダニを駆除することが可能です。
フロントライン プラス(3本入り)値段表
フロントライン プラスは1回投与するとノミに対し約1~3ヵ月間、マダニに対しては約1ヵ月間、寄生を防ぐことができます。
また、投与24時間後・投与直前のシャンプーが可能です。使用をする場合は月に1回のシャンプーの後にフロントラインを投与するなど決まり事を作って、忘れないようにしましょう。
ポイント④ 主な予防時期は4月~12月
多くの動物病院では春から秋にかけて予防を勧めております。
筆者が通う動物病院では4月~12月にフィラリア症も含めた予防することを勧めております。しかし、ノミは先ほど述べたように冬でも暖房が効いている場所などでは冬の間でも生息をすることができます。
動物病院では積極的に勧めてはきませんが、冬の間はノミ・ダニだけを予防するなど、季節や状況に合わせ、1年をかけて予防を行うことも大切です。
【筆者おススメの予防方法】
・4月~12月 ノミ・ダニ・フィラリアを予防(動物病院で処方)
・1月~3月 ノミ・ダニを予防(動物病院で処方 or ペットショップで購入)
ポイント⑤ 知らないと怖い!ノミ・ダニについて
ペットを飼っているとノミ・ダニを予防することを知っている人は多いですが、実際に引き起こされる病気についてしっかりと認識をした上で予防をしている人は多くはないと感じます。
また、ノミ・ダニはペットの皮膚病などの病気を引き起こすだけではなく、場合によってはヒトにも悪影響を及ぼします。ノミ・ダニは共に血液を吸う生物であるため、気を抜くことなくしっかりと予防をすることが必要です。
<ノミ>
・ノミってどんな生き物
体長が1~9mm程度の非常に小さい虫です。犬や猫、人など哺乳類など恒温動物に寄生します。
・ノミって何を食べる
ノミは動物の血液を飲みます。またペットのご飯の食べかすなどを食べ、成長します。
・ノミはどこにいるのか?
室内、室外に生息することができます。暖房により一定の気温が保たれているカーペットやソファー、ベッドの上などペットがよく過ごす場所であれば冬の間でも生息することができます。
ノミはとても繁殖力が強い生き物です。対策を怠るとあっという間にノミだらけになり、人にも危害を及ぼします。
代表的な例は「猫ひっかき病」です。猫の血を吸ったノミの体内に菌が入り、ノミの排泄物が猫の歯や爪に付着し、猫から人へ傷付いた皮膚を介して感染が広がります。リンパ節が腫れたり、熱が続いたりします。
※岐阜新聞「人獣共通感染症 ペットからの感染注意 かまれるなどして皮膚に症状」
https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/22706
<ダニ(マダニ)>
・ダニってどんな生き物
体長が1mm以下のものから、犬猫には2~4mmほどの大きさのものが寄生します。
・ダニって何を食べる
ダニは寄生した生物の血液を吸います。数年は血液を吸わなくても生きることができる非常に生命力が強い生き物です。
・ダニはどこにいるのか?
犬や猫に寄生するダニの多くは草むらに生息します。特に犬のお散歩では注意が必要です。
ダニも繁殖力が強い生き物です。ダニが寄生をすると犬や猫に様々な病気を引き起こす恐れがありますが、人がマダニに噛まれ、ウイルス性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染したことで死亡例もあります。
※日本経済新聞「マダニ感染症、ネコ・イヌから12件 死亡例も」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE0334Z0T00C21A8000000/
ノミやダニは繁殖力がとても強く、ペットに悪影響を及ぼすだけではなく人にも悪影響を及ぼすことがあります。
よって、発生してから駆除をするのではなくしっかりと予防をすることが大切です。また、ペットが痒がっていたり、頻繁に舐めていた場合には注意深く確認し、早期に対処をしてあげましょう。
まとめ
今回は春先にペットの安心安全を確保するために、飼い主の皆様に知ってほしいノミ・ダニが引き起こす病気や蚊によって感染をする感染症の怖さから対策までを解説させていただきました。
ノミやダニは非常に小さく、寄生をしてしまった場合、あっという間にペットが嚙まれます。
また人の手によってペットが蚊に襲われることを防ぐことはかなり困難を極めます。よって、かかりつけの獣医師としっかりと相談をし、1年を通してしっかりと予防をすることが必要です。
獣医師の適切な指導と飼い主の適切な飼育のもと、大事なペットを守っていきましょう。